2014-01-01から1年間の記事一覧

妊娠性血小板減少症

本例は子癇前症で認めるような高血圧,蛋白尿がなく,胎児の異常も報告されていない.よって子癇前症は考えにくい.HELLP症候群は,Hemolysis, Elevated Liver enzymes, and Low Platelet syndromeの略で,溶血所見,肝機能異常,高血圧がなく否定的である(…

妊娠性血小板減少症

33歳初産婦、妊娠37週で初めて血小板減少を指摘された一例。 子癇前症で認めるような高血圧、蛋白尿がなく、胎児の異常も報告されていない。 よって子癇前症は考えにくい。 HELLP症候群は、Hemolysis, Elevated Liver enzymes, and Low Platelet syndromeの…

消化器症状と漢方エキス

問題は、開腹術後の癒着が原因と考えられる麻痺性イレウスを起こす症例で、過労や冷えが増悪因子となっている。 手術勤務では、室温の低さのため,長時間勤務で腸管の血流も障害を受ける。腹痛と便秘はサブイレウス徴候を疑わせ、腸管血流を改善する大建中湯…

頚静脈怒張を伴わない両下腿浮腫

全身性浮腫の発症要因は腎からのナトリウム排泄が主因である。これには「細胞外液量中の血漿量の増加が主たる原因の静脈圧の増加」によるものと、「血漿量のあまり増加しない膠質浸透圧低下」によるものとがある。 一方,頚静脈の観察は中心静脈圧の上昇の判…

遠位尿細管性アシドーシス

遠位尿細管におけるH+の分泌障害により、尿の酸性化障害を生じ、HCO3-↓となるが、Cl↑となるためanion gap正常の代謝性アシドーシスをきたす。〈鑑別〉 ・原発性アルドステロン症:低カリウム血症は認めるが、アルカローシスをきたす ・Bartter症候群:低カ…

Basedow病に対する抗甲状腺薬治療について

Basedow病に対する抗甲状腺薬治療では妊娠初期,殊に妊娠4 〜 7週を除き、チアマゾール〈MMI〉を第1選択薬とすることが推奨される1)。最終的な治療効果はチアマゾール〈MMI〉とプロピルチオウラシル〈PTU〉の間に明確な差はない。 妊娠4 〜 7週では抗甲状腺…

バソプレシンV2受容体拮抗利尿薬

恥ずかしながら、勉強不足で詳しく知りませんでした。 http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/110113html/ より、更に要約。うっ血性心不全と利尿薬 うっ血性心不全患者には利尿薬が多量に使われています。フロセミド投与は一般的ですが、このフロセ…

在胎12週(28歳)で初めて尿糖を指摘されたケース

身長157cm、体重63㎏ 朝食後2時間血糖186mg/dl、HbA1c(NGSP)=6.2この患者への対応として正しいのは? 妊娠糖尿病〈gestational diabetes mellitus : GDM〉は妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常で、妊娠時に診断された明ら…

コリンエステラーゼ阻害薬の副作用

コリンエステラーゼ阻害薬は現在3剤[ドネペジル(アリセプト)、ガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(リバスタッチ・エクセロン)]がAlzheimer型認知症患者で使用されている。 コリンエステラーゼ阻害薬は主として中枢神経内において効果を生じるの…

起床後からのめまい、悪心、嘔吐(72歳、男性)

MRI DWIとFLAIR像とで延髄の右外側に高信号域を認める。 これよりWallenberg症候群であると診断。 Wallenberg症候群は後下小脳動脈,または椎骨動脈分枝の閉塞により起こり、 ①病巣側の小脳失調 ②病巣側顔面の温痛覚障害+健側半身(首から下)の温痛覚障害 …

5q-症候群

1974年にVan den Bergheらは大球性貧血,無効造血,低分葉巨核球,正常から軽度増加を示す血小板数,5番染色体長腕(5q)の中間欠失(deletion(5q)/5q-)などの特徴を有する5名の骨髄異形成症候群〈MDS〉患者を報告し, 5q-症候群の疾患概念を提唱した.そ…

糸球体性血尿を疑う尿所見は?

(a)赤血球円柱 (b)潜血反応3+ (c)変形のない尿中赤血球 (d)赤血球1〜4個/強拡大 (e)白血球エステラーゼ陽性 【解説】 日常診療では試験紙による簡便な潜血反応が用いられる。しかし、横紋筋融解によるミオグロビン尿や血管内溶血によるヘモグロ…

左室収縮不全による慢性心不全に対する薬物療法について

正しいのはどれか(a)経口強心薬は生命予後を改善する。 (b)β遮断薬は左室駆出率を改善しない (c)ジゴキシンは洞調律心不全患者の生命予後を改善する (d)アンギオテンシン変換酵素阻害薬は無症候例へは無効である (e)アンギオテンシン変換酵素阻害…

バセドウ病の診断ガイドライン

a)臨床所見 1.頻脈、体重減少、手指振戦、発汗増加等の甲状腺中毒症所見 2.びまん性甲状腺腫大 3.眼球突出または特有の眼症状b)検査所見 1.遊離T4、遊離T3のいずれか一方または両方高値 2.TSH低値(0.1μU/ml以下) 3.抗TSH受容体抗体(TRAb, TBII)…

スギ花粉症:トリアムシノロン(ケナコルト)の筋注の是非について

全人口の30%程度いると考えられているスギ花粉症の方は、症状が出ている間、生活上支障が出てくるため、適切な治療が求められる。抗アレルギー薬の内服、点鼻、点眼、副腎皮質ステロイドの点鼻、ロイコトリエン受容体拮抗薬が選択肢に挙がる。抗アレルギー薬…

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪抑制効果

マクロライド系薬の大きな特徴は組織移行性が優れていることで、中でも食細胞(好中球、マクロファージ)内への移行が良好であり、細胞内濃度は血中濃度の数十倍に至る。これら食細胞が感染部位へ化学遊走し、食細胞の菌貪食が引き金となり、抗菌薬が感染組…

Q.尿路結石症の再発予防に摂取が勧められるのは何か

A.柑橘類尿路結石症例への再発予防のための生活指導として、摂取が進められるのは水分以外では、クエン酸とカリウムがある。基本は、結石成分の過飽和を減らすため2,000ml/日の飲水を励行する。 紅茶やコーヒーは尿量を増加するがシュウ酸排泄も増加すること…