認知症ケア 食欲と味覚

認知症の方が食事をとらなくなる原因は数多くあります。

 「義歯が合っていない」「口腔清潔が保てていない」など、口腔ケアに関することを改善することで解決する事も多いのですが、意外と多いのが、味覚・嗜好の変化です。

 もちろん、口腔ケアで味覚障害が改善することもありますが、甘味、酸味、塩味、苦み、への感じ方が変わったり、特定の特定の味覚のみを特に好まれるケースがあります。

 ある方は甘味がある物のみを好んで食べるようになり、刺身も醤油では食べないが、砂糖を掛けると食べるようになった、と言うことがありました。当初、通所・入所施設などのケアスタッフはそんなことはできない、と拒否的でしたが、実際に、砂糖を掛けると食べる所を見て、その後は、その方に合わせて、食事をとるようになり、食事量も保てました。

 

 常識的な判断だけでは、上手くいかないことも、観察したちょっとした気づきから、その方の特性や思いを推し量る事ができることがあり、今後も続けていきたいと思います。