糖尿病の新診断基準

糖尿病の新診断基準、7月1日に施行
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2010/201005/515328.html

これまでは
1.空腹時血糖値126mg/dL以上
2.75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上
3.随時血糖値200mg/dL以上
のいずれかが再現性を持って認められる場合に糖尿病と診断し、HbA1c値は補助的な位置付けだった。

 今回、HbA1c値は6.5%以上(6.1%以上[JDS値])を診断基準としたが、糖尿病の診断は血糖値(上述の3項目)とHbA1c(6.5%[JDS値で6.1%以上])の両方を評価するよう定められており、血糖値は必須のまま変わらない。

 んんっ、HbA1c>6.5でも血糖条件を満たさなければ、「糖尿病の疑い」になるのか。じゃぁ、健診でHbA1c>6.5なら「あなたは糖尿病の可能性が濃厚です」とかになるのかな。「糖尿病の疑いがあります」よりインパクトはあるが、保険・医療の現場の対応としては、HbA1c>6.5なら自動的に診断してもいい気がする。血糖値にこだわったのは、アカデミックな判断が入っているんだろう。

 HbA1c値については、「日本独自の測定法によって得られるJDS値を、欧米を中心に使われている測定法によって得られるNGSP値に換算する」といった面倒な注意書きがある。
 「診断基準の6.5%はNGSP値相当であり、現行の日本の測定法によるJDS値では6.1%となる。今後HbA1cはNGSP値に相当する値として表記するが、HbA1c測定方法はこれまでと変わらず、あくまでJDS値に0.4を足した値をNGSP値として示すことになる。国際標準化作業が行われたことで、JDS値に0.4を足せばNGSP値と同じになることが確認された。」とのことだが、測定方法をNGSP値に早く統一してくれた方がありがたい。器材の更新などの問題もあるだろうけど、ただ単純に0.4足せばいいなら、印字ソフトの段階で対応できるはず。診療現場でいちいち説明する手間を省いて欲しいなぁ。

(追記)6/2、18:50
1年後をめどに日常臨床のHbA1c表記を国際標準のNGSP相当値に変更
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2010/201006/515379.html
ということで、移行期間があるにせよ、NGSP値に統一してくれそうです。