インフルエンザワクチン在庫

新型インフルエンザ:ワクチン在庫5万2000回分 道など、負担軽減要望 /北海道
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20100423ddlk01040215000c.html

余るワクチン29万回分 全額医療機関の負担に
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2010042502000039.html

 昨年秋に大騒ぎして、緊急輸入までして確保した新型インフルエンザワクチンが余っているという。今回のワクチンに関しては、国と医療機関の直接の契約で、卸値から接種費用まで決められていて、返品不能という前提で医療機関が購入していた。
 多くの医療機関は、接種希望者からの連絡で仮予約して、その人数分の確保をするため、都道府県を通じて国に購入希望数を通知。入荷数に応じて順番に接種希望者に通知し接種する、という、医療機関にとっては、通常の予防接種に比し非常に手間のかかる作業をしていた。
 手間がかかるものだから、当時の騒動から望む数量の確保が難しく、多めに購入希望を出し数量を確保していた医療機関もあったわけだが、年明け以降は意外と希望者が増えず、使い切れず不良在庫になったというのが実情だと思う。もちろん、10ml(20人分)一気に使用しなくてはいけないバイアルの問題もあったが。

 一般の商品販売なら、需要見込み違いで不良在庫となったわけだから、商店の責任、と言うことになるわけで、記事では医療機関都道府県が負担軽減を求めているが、需要見込みの判断を誤ったわけで、その点の責任は決してないとはいえない。
 一方で、「ワクチンが足りない」と煽りまくったマスコミの責任はどうだろう。どの程度影響したかなどの判断はできないが、ワクチン接種早期に、希望者が殺到した事実や窃盗犯が現れたり、優先接種者でない者への接種を問題視したりしたことからは、マスコミに全く責任がないとは言えない。問題はそれを指摘するマスコミや識者がいないことだろう、と思う。

 さて、文句ばかり言っていても仕方ないので、次善策を考えよう。いくら何でも捨てるのはもったいない。返品するより、安くして接種したり、あるいは一部の人に対して無料で接種したりするなどして、有効利用した方が、税金の使い方から考えても意味があると思う。多くの医療機関に断られながら何件も電話やはしごをして「定価」で接種した人からは文句も出ると思うが、一番必要な時に早く打てたことに付加価値を見いだして、「差額分払い戻せ」と言わせないようにできないものかと思う。