医療保険

 某国では医療保険の今後の方向性が定まっていない。大統領にとっては、基地の問題よりこちらの方が頭が痛いのだと、凡人には感じている。

 一方、我が国ではどうか。様々な議論がされているが、いささか乱暴だが、単純に考えてみたい。医療者から見た医療保険は、国が医療者の質を問わず、全国一律で同様の医療行為に対して、決められた報酬が支払われる仕組みである。逆に被医療者から言えば、どんな名医にかかっても、どんなヤブにかかっても、同じことをされたら(医療施設の違いにより少々の違いがあるが)同じだけのお金を払う仕組みである。
 医療者の質を保険に導入しようとすれば今以上に経費がかさむことになるので、医療者自身が己に厳しく研鑽を積み、ヤブと言われないようにすることが肝要だ。

 では、今、医療機関の7割が赤字と言われているが、これは、いろんな安全対策に人件費も費用もかかる中で、同じ医療行為をしていても決められた報酬しか得られないということは、「決められた報酬(点数)」が問題ではないのかと。

 学校の試験で、教えてもらった通り勉強していたのに、7割の生徒が不合格だとしたら、それは生徒だけが悪いのじゃなくて、教え方が悪い、と言われるのではないでしょうか? 

 「乱暴」なのは、社会の中、とりわけ「経済活動」の一部としての医療、という観点が一切抜けているからなので、その点は自覚があるのですが、経済により医療にひずみが出ているのは、何も某国だけではないと言うことですね。