鉄過剰症

(診断)
・「血清フェリチン値」で輸血後鉄過剰症を診断する

(鉄代謝
・鉄の吸収は十二指腸。
・Fe3+→Fe2+と還元されてから吸収される。
・哺乳類には鉄排泄機構がないので肝臓で生産されるヘプシジンにより小腸での吸収抑制により調整される

(鉄−硫黄クラスター)
・鉄−硫黄クラスターの合成・輸送に関与する遺伝子変異による疾患として、鉄芽球性貧血、ミオパチー、フリードライヒ運動失調症などがある。

(診断・治療)
・鉄キレート療法で予後の改善が見込まれる
・輸血後鉄過剰ではまずMRI心筋T2*の低下、次に血清フェリチンに上昇、最後に左室駆出率の低下の順でパラメーターの変化が観察される
心不全死亡が24%、肝不全死亡は6.7%。
・総輸血量40単位、フェリチン1000ng/ml以上(連続2回、2ヶ月以上)で鉄キレート療法開始

(ヘモクロマトーシス)
・ヘモクロマトーシスのスクリーニングとしてフェリチン、鉄飽和度がある
・遺伝子背景は人種によって違いがあり、腹部CTで偶然発見されることもある。
MRIで半定量も可能。
・血清ヘプシジンが極度に低下している例が多く鉄調整タンパクの機能異常の可能性がある。